桟の一本を削るのに、
三日はかかる
CHEUNG CHAN YAP のベッドフレームはドイツ・バイエルン州産ブナ材の一枚積層桟(モノコア材とも呼ばれます)を使用しています。この材料は反りや曲がりを起こしにくく、家具の骨組みに最適ですが、加工には非常に高い精度が求められます。横浜工房の西脇治樹は、その加工を一人で担当しています。
積層桟とは何か
積層桟は、小さな板を接着剤で層間方向に組み合わせた材料です。一枚板と比べて、反りの原因となる木繊維の偏りを平均化できます。CHEUNG CHAN YAP が使用するブナ積層桟は、板目(小口)で見ると、年輪が微細に詰まっていることがわかります。これは冷涼な気候条件で急速に育った木特有の性質のせいで、この緻密な年輪が材料の強度を支えています。
削る前の「読む」時間
西脇は加工に入る前に、必ず材料を二日間常温保管します。「木材は呼吸してる。乾燥されたものでも、周囲の環境の湿気を受けてわずかに膨らんだ膨らみます」と言います。最も安定した状態で削ることで精度が上がる」。この「読む」時間を惜しまないことが、CHEUNG CHAN YAP の技術の第一步です。
三次元墨付けの技術
積層桟の四面削りにおいて、重要なのは墨付け(寸法打ち)です。现代では CNC 切削が主流ですが、CHEUNG CHAN YAP のベッドフレームは敢えて手墨付けています。「CNC は同じ尺寸を正確に刻みますが、人間の墨付けは材料の状態に応じて微妙に調整が入る。節の位置、桟の湾曲、接着面の傾き——それらを全部読んで、最終的なサイズに反映させる」。この微調整は CAD では決して再現できません。
三日かける削りの実際
一根の桟を仕上げる工程は、次の通りです。初日は两面削り。鉋で木口と板面を平滑に整え、一定の厚さに近づけます。鉋の刃は毎朝6時に研ぐもの。「刃が材料を読む」と言います。二日目はアーティスト仕上げ。紙やすりで #400 → #800 → #1200 と段階的に研磨し、手触りがシルクのように滑らかになるまで続けます。三日目は最終検査と微調整。指先で木目をなぞり、小さな段差がないか、毛羽立ちがないかを確認。「この三天を嫌う職人は多いですが、僕はこれが好き。木材と対話する時間だから」。
十年の職人人生が宿る一本
西脇が CHEUNG CHAN YAP に入ったのは2015年。当時はまだ木材の識別にも時間がかかったと言います。「十年経って、桟を持てば大致わかるようになりました。軽い、木との摩擦係数、木目の硬さ——すべてが情報を送ってくれる」。西脇の手がかったベッドフレームは、全国に2,400台以上。彼らの中には十年以上使用され、今も静かな寝室で眠り続けています。
著者 西脇 治樹 / 撮影 川島 美桜 / 編集 藤原 蓮 / CHEUNG CHAN YAP
職人技を、
直接ごらんにならないですか。
CHEUNG CHAN YAP の横浜工房では、毎月一度「木工会」を開き、積層桟の削り出し体験をすることができます。西脇の技を間近で見るチャンスです。
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